そこには、死の欠片も無く。
概要
ある地域で最初に報告された症例で、罹患すると、身体がどれほど損傷しても決して死ねなくなるという症状が現れる。心停止、臓器の壊死、大量出血、四肢の欠損など、通常であれば致命的な状態に陥っても生存し続けてしまう。
特徴
深刻なのは、症状が進行しても身体が回復・再生することは一切なく、罹患者はぼろぼろの状態のまま、回復の見込みのない苦痛にひたすら苛まれ続ける点にある。痛覚を人為的に遮断しても、感じるはずのない苦痛を訴え続ける例が報告されており、単なる生物学的な病理では説明のつかない、何らかの異能的な関与が強く疑われている。
現時点で確立された治療法はなく、苦痛からの解放を目的として遺体を焼却処理する対応が取られている。ただし一部では、その処置自体が本当に苦痛からの解放になっているのか、疑問視する声もある。
当会の見解
呪いなのか、病いなのか、あるいはまったく別の「何か」なのか——この現象そのものを単体のエネミーとして扱うべきか、副産物的な現象として扱うべきかについても、会内の意見は分かれている。
一部では、あらゆる生物が根源的に抱く「死にたくない」という生存欲求そのものが、臨界点を超えて結晶化したものではないか、という説も唱えられているが、いずれも検証段階に留まる。
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